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企業担当者のための運営管理機関選びガイドライン

法律の定めるところによると、制度の実施者はあくまでも事業主であり、その意味で運営管理業務も事業主自らが行うことが原則になっている。まず、そのことを十分理解することが大切である。即ち、制度運営に関する責任は事業会社にある、ということである。
その上で、多くの企業では専門的な能力を持つ外部の運営管理機関に委託をするということになるのが普通のケースである。(確定拠出年金法第2条と第7条)
とくに、大企業と違い、年金担当者を置いて十分な体制をとることができない中堅企業や中小企業では、運営管理機関の選定が大切な要素になる。制度が、従業員のために実効性のあるものとして成熟していくかは運営管理機関によるところが大きい。
運営管理機関のサービスは大きく分けて、4つに分けることができる。即ち、

○ 運営サポート
○ 従業員教育
○ レコードキーピング
○ 運用商品の選定とモニタリング

である。これらのサービスの総合的な判断から運営間機関を選ぶことになるが、視点はあくまでも従業員にとって、ベストのサービスは何かということだ。そこで、NPO401k教育協会では独自の選定に向けてのガイドラインを作成した。このガイドラインは暫定的なもので、今後、導入企業の実態の把握を進めると同時に、委員会を通じて深めていく予定である。

1 企業の人事面、財務面での実情を踏まえた運営サポートができるか
 年金規約は企業の退職金規定、就業規則、給与規定、などの企業独自の制度と関連がある。日本版401kを導入するに当たって、企業の既存の制度との整合性を深く理解した上で、トータルな専門性をもって運営サポートできることが大切である。年金規約の承認申請や日常的な事務のサポートの質の高さも、当然のチェックポイントとなる。

※ 既存制度からの移行も含めた制度設計に関しては、専門のコンサルティング会社を利用するという方法もある。即ち、運営管理機関の業務以前の人事や財務面からの総合的な退職給付制度をどうしていくかという問題は、専門家の意見を聞きながらまとめていくということである。労働組合との合意形成などもコンサルティングの対象となっている場合もある。また、中立的な立場で、運営管理機関の選定方法までコンサルティングをする仕事も今後増えていく可能性がある。この考え方は、実際の運営管理の事務作業とコンサルティングを分離して考えるということである。

2 従業員教育の能力
 年金資産の運用そのものが従業員の自己責任となる制度だけに、企業も労働組合も最も力を入れていく必要がある分野である。運営管理機関によって、それぞれ投資教育に対する方針や体制は異なる。自社の実情に踏まえ、運営管理機関の能力を見極める必要がある。
投資教育は金融機関のおまけのサービスではない。

※ チェックポイントとしては
・従業員教育に対する基本的な考え方、哲学、姿勢
・講師の質  レベルや均一性
・テキストなどの教材の質
・コールセンターやWEBの質
※ とくに導入時の従業員教育だけでなく、継続教育に対する体制チェックが重要

3 運用商品に対する能力
 運用商品の選定は最終的に従業員の希望に合ったもの、良い商品を選定する能力が問われていくことになる。具体的な関連情報の提供体制も選定のポイントになる。

4 リーズナブルなコストか
 長期にわたる制度だけに、レコードキーピングや資産管理関連のコストも十分に比較吟味して決定していく必要がある。様々な手数料に関しても同様である。しかし、安ければよいというものではなく、従業員に対するサービスの質とのバランスを考えての判断ということはいうまでもない。

○ 選定に当たっては会社だけでなく、労働組合の代表も選定作業に参加することが重要
 労働組合は従業員の代表であり、従業員のための制度であるから、労働組合は十分責任ある役割を担う必要がある。但し、法律ではここまで要求していない。あくまでも理想としての話しではある。実際に、運営管理機関選定理由書では、企業の代表取締役が署名捺印する形式になっているが、労働組合との連名という形式がよりよい形と考える。制度移行のときの不利益変更などの訴訟リスクを回避するという意味でも重要なことだと考える。

●禁止されていること
選定に当たって、従業員本位主義ということがあくまでも日本版401kの法律の忠実義務の意味するところである。したがって、企業として融資や営業的な関係で運営管理機関を選定するということはおかしなこととなる。勿論、融資や営業的な関係を理由に金融機関の側から圧力をかけることはあってはならないことである。

※運営管理機関の途中の変更は面倒な作業になる。一度すべて現金化して、改めて一からやり直さなくてはならない作業は従業員にも負担をかけることとなる。従業員から会社の信頼を失うようなことは避けなくてはならない。わが社は能力の劣る運営管理機関を使っているのではないか、と従業員に思われては最悪の選択をしたこととなる。

以上。



-特定非営利活動法人 確定拠出年金教育協会 事務局-
-お問い合わせ:info@npo401k.org-